ザトウクジラ来遊1634頭 観察ツアー客、過去最多に 23年季、奄美大島

2024年04月08日

寄り添って泳ぐザトウクジラの母子=2月10日、奄美大島沖(興克樹さん撮影)

奄美クジラ・イルカ協会(興克樹会長)はこのほど、冬から春にかけて奄美大島近海に来遊するザトウクジラの2023年シーズンの調査結果(3月末現在)をまとめた。出現確認数は1634頭で、前季(1699頭)から微減。母子を含む群れの出現数は300群で、過去最高だった前季(204群)を上回った。加盟14事業者によるホエールウオッチング参加者も7325人(前季比1016人増)と、3年連続で過去最多を更新した。

 

奄美大島周辺海域のザトウクジラの出現位置図(奄美クジラ・イルカ協会提供)

調査は同協会の加盟事業者が、海上からの観察を中心に出現情報を計上した。今季は23年11月24日に奄美市住用町城海岸沖で初確認。1月下旬から3月中旬まで出現が多い状態が続き、2月中旬に来遊のピークを迎えた。

 

群れの平均頭数は1・75頭で、母子群が全体の32・2%を占めた。発見位置情報から、ザトウクジラが奄美大島近海を島沿いに移動していることや、南部の大島海峡、請島水道、与路島水道で母子群の滞留が多いことが明らかになった。個体識別調査では約400頭分(速報値)の尾びれの識別写真が新たに得られ、同協会は今後、北太平洋全域での照合に活用するとしている。

 

ホエールウオッチングは1~3月の参加者が前季(6309人)比116・1%で過去最多。参加者のうち54・4%が海中からクジラを観察するホエールスイムに参加した。同協会はホエールスイムの人気の高まりを受け、観察対象が母子群の際はスイム回数を6回から3回に減らすなどの自主ルールで対象への影響低減を図っている。

 

興会長は「今後もクジラへの影響を考慮し、安全なホエールウオッチング、ホエールスイムを推進していきたい」とコメントした。

 

ザトウクジラは体長12~14㍍、体重30㌧にもなる大型のヒゲクジラ。頭部のこぶ状の突起と長い胸びれが特徴。夏場はロシアやアラスカなどの冷たい海で餌を食べ、冬季に繁殖や子育てのため、国内では沖縄や小笠原などの暖かい海域へ移る。