希少ネズミ、多様に紹介 奄美博物館企画展 奄美市名瀬

2020年06月24日

奄美大島のネズミを多様に紹介している企画展=23日、奄美市名瀬の奄美博物館

奄美大島のネズミを多様に紹介している企画展=23日、奄美市名瀬の奄美博物館

 奄美市立奄美博物館の企画展「奄美大島のネズミ展│知られざるネズミの世界」が奄美市名瀬の同博物館3階企画展示室で始まっている。奄美大島に生息する希少なアマミトゲネズミやケナガネズミを中心に、謎の多い生態や、古文書などにみられる人との関わりなど、幅広い視点で奄美のネズミの世界に迫っている。7月26日まで。

 

 奄美大島だけに分布する小型のアマミトゲネズミに対して、ケナガネズミは徳之島、沖縄島北部にも生息する国内最大のネズミ。ともに国の天然記念物で、環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠB類。世界自然遺産登録を目指す奄美・沖縄を代表する生き物として知られる。

 

 企画展は今年の干支(えと)・子(ね)にちなんで開催。移入種も含め同島に生息する全4種の剥製を展示し、写真、パネルで進化の歴史や生態を解説。アマミトゲネズミの絶滅を回避するために、国内の動物園で行われている人工繁殖の取り組みや、幕末期の奄美大島を記した地誌「南島雑話」に登場するケナガネズミなど、多様な資料を展示している。

 

 来場した奄美市笠利町の大山由美子さん(42)は「ネズミにはいまいましいイメージがあるけど、奄美の希少なネズミを実際に見ることができれば好きになれそう」と話した。

 

 企画展を担当した同博物館の平城達哉さんは「奄美のネズミを身近に感じてもらいたい。世界の珍しいネズミも紹介しているので、子どもたちに楽しんでほしい」と来場を呼び掛けている。

 

 開館は午前9時~午後5時。観覧料は大人310円、高校・大学生150円、小・中学生100円。問い合わせは電話0997(54)1210奄美博物館へ。