迫力ある姿に歓声 ホエールウォッチング体験会

2022年01月05日

ザトウクジラを間近で観察する参加者ら=4日、瀬戸内町の加計呂麻島沖

海面から頭を突き出すザトウクジラ=4日、瀬戸内町の加計呂麻島沖

奄美クジラ・イルカ協会(興克樹会長)は4日、奄美市名瀬小湊地区の住民を対象にしたホエールウォッチング体験会を開いた。地域住民ら46人が参加し、ザトウクジラの迫力満点のパフォーマンスを間近で観察した。

 

体験会は地域貢献の一環。観光客向けのホエールウォッチングツアー開始に合わせて同会が昨年から実施しており、地域住民にクジラの来遊やホエールウォッチングについて身近に感じてもらうことが目的。

 

ザトウクジラは体長約12~15㍍、体重約30㌧。冬季にロシア周辺海域から奄美近海に来遊し、繁殖や子育てのため50日ほど滞在する。出現数のピークは例年2月中旬ごろ。今シーズンの来遊は昨年12月7日に初確認された。

 

参加者らは2隻に分かれて乗船し午前9時に小湊漁港を出発。加計呂麻島の東側沖2㌔付近で成体のザトウクジラ2頭を確認した。

 

ザトウクジラは船の周りをゆっくりと遊泳。胸びれを突き出して振り下ろす「ペックスラップ」や海面から頭を出して辺りを見回す「スパイホップ」など特徴的な行動も見せた。参加者たちはザトウクジラの豪快なパフォーマンスに歓声を上げ、夢中で写真に収めていた。

 

小湊小6年の向島翔輝君(11)は「クジラを初めて見て、めっちゃびっくりした」と興奮した様子で話していた。

 

興会長は「クジラにストレスを与えない優しいツアーでお客さんを楽しませたい。地元の方々にも身近にクジラが見られるということを知ってもらえれば」と語った。