「南国エレジー」リメイク盤発売 沖永良部島

2019年03月31日

芸能・文化

「南国エレジー」のリメイク盤CDを手にする竿田富夫さん(右)と山下幸秀さん=30日、和泊町

「南国エレジー」のリメイク盤CDを手にする竿田富夫さん(右)と山下幸秀さん=30日、和泊町

 当時の沖永良部高校教諭が作詞作曲し、全国でヒットした歌謡曲「南国エレジー」が27日、半世紀以上の時を経てリメイクされ、発売された。作曲を担当した竿田富夫さん(83)=和泊町=は「うれしい。多くの人にこの歌を楽しんでほしい」と話している。

 

 「南国エレジー」は1962年ごろ、国語教諭だった故・谷元義男さん(同町出身)が作詞し、音楽教諭の竿田さんが作曲した。沖永良部島にルーツを持つ歌手高石かつ枝が島を訪れた際、有線テレビで流れていたこの歌を気に入り、クラウンからレコードを全国発売し、話題となった。

 

 2018年秋、イベント出演のため沖永良部島を訪れた鹿児島出身の歌手天達美代子と竿田さんが「南国エレジー」の話題で意気投合。リメイク盤CDの発売に向け、動きだした。

 

 歌を作った頃は日本の高度経済成長期。多くの島民が学校卒業後は集団就職のため本土に渡った。港で涙ながらの別れの風景を見ていた竿田さんは「男性は島を出て行く一方、女性は残る場合もあった。その別れがかわいそうで。いつか帰って来てほしいという願いを込めた」と歌を作ったきっかけを振り返り、「今の高校生もほとんど島を出て行く。いったん本土の空気を吸い、島に戻って島のために働いてもらいたい」と変わらぬ思いを語った。

 

 CD制作に協力し、収録にも三味線演奏で参加した山下幸秀さん(67)=和泊町=は「郷土の歌を消してはならないという思い。全国の郷友会などを通じて少しずつ普及していきたい」と話した。

 

 リメイク盤CDの発売元はキングレコードで5曲入り。価格は1300円(税込み)。