「奄美島唄入門」出版 鹿児島大学・梁川教授
2020年04月16日
芸能・文化
鹿児島大学法文学部の梁川英俊教授は3月、「奄美島唄入門」(北斗書房)=写真=を出版した。島唄を「声の文化」と位置付け、唄の歴史や歌い方の特徴、歌詞などを紹介。未来へ提言も盛り込んだ。「島唄をもっと知りたい」と思っている人に向けた分かりやすい入門書だ。
本書は①島唄はどういう歌なのか②いつから歌われているか③何を歌っているのか④どこで生まれたのか⑤誰が、なぜ歌っているのか│など9章で構成した。「誰が」「いつ」「どのように」と各章のタイトルがすべて疑問形になっていることも特徴だ。
「いつから歌われているか」の章では、近世南島研究のバイブルと言われる「南島雑話」に記載された唄を紹介したほか、「俊良節」の変遷を考察した。「何を歌っているのか」の章では▽教訓歌▽ニュースメディアしての歌▽恋愛の歌│を取り上げた。歌が記録や記憶を伝える役割を果たしていることを紹介した。
表紙は南島雑話(奄美博物館所蔵)の歌遊び(歌掛け)の絵、裏表紙は南海日日新聞社主催の奄美民謡大賞の写真を使用した。
本書は「知の還元」を目的とした鹿児島大学の国際島嶼研究センターが発行するブックレットの第13弾。定価900円(税別)。大手通販サイトではすでに完売状態となっている。2版は2カ月後の予定。