キルト作家 黒田さん展示会 大島紬の作品など100点 県奄美パーク

2021年03月07日

芸能・文化

大島紬の大型パッチワークキルト作品に見入る来場者らとギャラリートークで作品への思いを語る黒田さん(円内)=6日、奄美市笠利町

大島紬の大型パッチワークキルト作品に見入る来場者らとギャラリートークで作品への思いを語る黒田さん(円内)=6日、奄美市笠利町

 和歌山県紀美野町に構える「蒲公英(たんぽぽ)工房」を拠点に、国内外で活躍するキルト作家・黒田街子さん(68)のパッチワークキルト展が6日、奄美市笠利町の田中一村記念美術館展示企画室で始まった。初日はギャラリートークがあり、黒田さんが「5ミリ四方の小さな端切れでも、キルトにすれば100年後まで形に残る。大島紬を生かし、次の時代につないでいきたい」などと作品への思いを語った。

 

 黒田さんは宮崎県出身。東京、大阪、福岡など各地で指導に当たっているほか、国内外で個展を開いてキルトの魅力を伝えている。奄美での展示会は初めて。

 

 会場には、大島紬を使ったパッチワークキルトや、黒田さんの門下生たちの小物作品など、約100点を展示している。黒田さんが今回のために約2年かけて制作したという作品「奄美の神々は唄(うた)う」は、196センチ四方の大型作品。大島紬の古布だけを使用し、絶滅が危惧されている奄美の固有植物などを図案化した。

 

 ギャラリートークには奄美大島内の手芸愛好家や大島紬ファンら約40人が参加。来場者は作品を一つ一つじっくりと鑑賞し、丁寧に仕上げられた手仕事の技に驚いていた。

 

 黒田さんは作品の制作工程をインターネット上で公開している。会期中は毎日会場を訪れるといい、「技術を残すことも使命だと思っている。キルトについて分からないことがあればなんでも聞いてほしい」と話した。

 

 展示会は14日まで。時間は午前9時~午後6時(最終日は午後3時まで)。無料。

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