一村の世界に触れる 記念美術館で作品鑑賞会

2018年09月06日

芸能・文化

一村の展示作品を見学する参加者=2日、奄美市笠利町の田中一村記念美術館

一村の展示作品を見学する参加者=2日、奄美市笠利町の田中一村記念美術館

 奄美に縁の深い日本画家、田中一村の作品鑑賞会が2日、奄美市笠利町の田中一村記念美術館であった。奄美大島内外から小学生―一般の17人が参加。同館の前野耕一学芸専門員(49)の解説に耳を傾けながら展示作品を鑑賞し、奄美の豊かな自然に魅了された一村の生きざまに触れた。

 

 鑑賞会は11日の一村の命日にちなんだ恒例のイベント。作品鑑賞前に前野専門員は一村の生涯や人柄のほか、千葉や奄美で描いた作品の特徴などを解説。一村の生誕110年を記念して今年7~8月にフランスで作品が初公開されたされたことも説明し、「色や動植物など自分なりの見方で一村と奄美のつながりを感じてほしい」と話した。

 

 同館に収蔵されている一村の作品や関係資料は約460点。常設展示しているのはこのうち110点。奄美の自然に対する印象をスケッチブックに書き残した文章や一村所有のピカソ画集、落款も展示している。参加者は一村の人柄や作品に対する考え方についても理解を深めた。

 

 奄美小6年の東征吾君(12)は「描かれていたイセエビが今にでも動き出しそうだった。絵を描くのが好きなので今後の参考になった」と話していた。