名物「ソーラ釣り」を披露 嘉鉄集落豊年祭・敬老会 瀬戸内町

2023年09月24日

芸能・文化

サワラと漁師のやりとりを滑稽に演じた「ソーラ釣り」=23日、瀬戸内町嘉鉄

旧暦8月15日(9月29日)を前に、奄美各地は豊年祭のシーズンを迎えた。瀬戸内町の嘉鉄集落(重村満久区長、103世帯)では23日、集落公民館で106回目となる豊年祭・敬老会が開かれた。新型コロナウイルスの影響で昨年まで中止が続いたため、4年ぶりの開催。同集落名物「ソーラ釣り」も5年ぶりに演じられ、会場が盛り上がった。

 

ソーラ釣りは、1952(昭和27)年に当時の青年団員らが即興で披露し、定着した芸能演目。サワラと舟の模型(木製)を使い、男性3人(漁師役2人、サワラ役1人)が、六調の伴奏に合わせて漁のやりとりを滑稽に演技する。

 

長謙三さん(69)と益幸尚さん(68)が漁師役、榮文麿さん(67)がサワラ役で出演。会場を走り回って逃げるサワラと、舟から投げ出されても釣り上げようと奮闘する漁師たちとの攻防をユーモラスに演じ、観客の笑いを誘った。

 

演技後、3人は「みんな楽しんでくれていた」と爽やかな笑顔を見せた。ソーラ釣りを当初から知る静島秀麿さん(93)は「5年ぶりに見られて最高。演技も良かった」と喜んだ。

 

この日は、今年の全国中学校相撲選手権大会団体戦で優勝した古仁屋中学校相撲部が基本稽古や技を実演したほか、余興では住民らが伝統演目「はやり節」や「カマ踊り」なども披露。会場は歌や踊りで活気にあふれ、人々がにぎやかに交流の輪を広げた。