奄美の長寿研究で博士号 京都市の富澤さん
2019年09月25日
芸能・文化
奄美の長寿社会を長年にわたり研究している富澤公子さん(京都市・立命館大学非常勤講師)が名古屋学院大学大学院の博士号を取得。17日、学位授与式が行われた。対象論文は「奄美のシマ(集落)にみる文化資本を活(い)かした地域研究―長寿と人間発達を支える伝統と協働のダイナミズム」。「新老年学」を確立したと高い評価を受けた。
富澤さんは13年がかりで論文を完成させた。①超高齢期の機能と適応②超高齢期の人間発達―老年的超越理論③奄美にみる長寿の地域経営と社会経済システム―など10章で構成した。
論文は豊富なフィールドワークに基づき、老いの潜在能力に光を当て「新老年学」を確立したこと、長寿社会を文化資本と位置付け、地域経営への視点を盛り込んだことが評価された。
学位記授与式は17日、名古屋学院大学のチャペルで行われ、富澤さんは同大の小林甲一学長から学位記を受け取った。富澤さんは今後、論文の出版を予定している。「私の研究を支えてくれた奄美の行政、長寿者と家族など多くの人々に感謝したい。出版により、奄美の良さを全国に発信していきたいと思う」と話した。