島唄とオーケストラが融合 第3回奄美ほこらしゃ音楽祭 奄美大島
2025年02月11日
芸能・文化

奄美管弦楽団の演奏をバックに島唄を歌う中村瑞希さん=9日、奄美市名瀬
島唄とオーケストラが共演する第3回ほこらしゃ奄美音楽祭が9日、奄美市名瀬の奄美川商ホールであった。会場に詰め掛けた約830人の聴衆は、一流のオーケストラによる繊細かつ力強い演奏と、奄美伝統の島唄が融合した、懐かしくも新しい音楽を存分に堪能した。
同音楽祭は鹿児島市出身の作曲家・編曲家の吉俣良さんが総合プロデューサーを務め、オーケストラ用に島唄をアレンジし、編曲しているのが特徴。
第1部は、プロの演奏家46人から成る「ほこらしゃ奄美管弦楽団」がクラシックの名曲を披露して会場を魅了。地元の「奄美オーケストラ」も共演し、彩りを加えた。
第2部は森山ユリ子さんが正調島唄を、里アンナさんが竪琴やドラムの演奏を交えたアレンジ島唄を、2曲ずつ披露した。
第3部が島唄とオーケストラのコラボレーション。平田まりなさん、里歩寿さん、RIKKIさん、中村瑞希さんが歌い、それに前山真吾さんの三味線と、管弦楽団の演奏が合わさり、会場は独特な音楽の世界観に包まれた。
吉俣さんは島唄とオーケストラの融合について「島の人が喜ぶだろうかという葛藤もあったが、1年目にやった際、本当に多くの方が喜んでくれた。3年やって、すごく大変だったが、楽しく、携われたことに心から感謝している」などと話した。
同音楽祭は、奄美独自の文化である島唄の魅力を発信し、島唄を観光素材とした誘客を目的に、県と奄美大島5市町村で構成する実行委員会が主催。22年度から3年間の継続事業で、今年度が最終となった。