島尾文学ゆかりの地巡る 学習院大生が奄美大島合宿

2019年08月30日

芸能・文化

島尾敏雄文学碑公園を見学する学習院大学のゼミ生ら=29日、瀬戸内町加計呂麻島

島尾敏雄文学碑公園を見学する学習院大学のゼミ生ら=29日、瀬戸内町加計呂麻島

 学習院大学(東京都豊島区)文学部日本語日本文学科の赤坂憲雄教授ゼミ生17人は28日から奄美大島で合宿を行っている。29日は瀬戸内町の加計呂麻島に渡り、戦後を代表する作家島尾敏雄ゆかりの地を訪問。同島を舞台とした作品が生まれた背景に思いをはせた。合宿は31日まで。

 

 同ゼミは毎年、主に国内外の離島や半島で合宿を行っており、奄美大島は初めて。ゼミ生は奄美の歴史や島尾敏雄、ミホ夫妻それぞれの文学作品を学び、合宿に臨んだ。赤坂教授は体調不良のため来島しなかった。

 

 一行は島尾敏雄文学碑公園や日本海軍の特攻艇「震洋」が配備されていた格納壕(ごう)跡を見学したほか、戦時に特攻隊長としてこの地に駐屯していた島尾が、後に妻となるミホと逢瀬を重ねた海岸を歩いた。

 

 ゼミ生の小笠原七生さん(23)=大学院修士課程=は「ミホさんが命懸けで歩いた海岸を実際に見て、愛の大きさを感じた。きれいな景色も印象深い。この旅が終わったら、改めて作品を読みたいと思う」と話した。

 

 ゼミ代表の伊東弘樹さん(26)は「赤坂教授には学生たちに、その土地に根付いた作品を歩きながら読む、行間を読むというか、それを実感してもらえたらという思いがあると思う。僕自身もこの旅で改めて学び、実感している」と話した。