市民ら1200人観賞 西郷どん奄美PV
2018年05月21日
芸能・文化
NHK大河ドラマ「西郷どん」の奄美パブリックビューイング(PV)が20日、奄美市名瀬の奄美文化センターで行われた。島編2回目の放送。西郷隆盛と島の人々の心の交流、妻・愛加那との結婚が展開され、来場者約1200人は食い入るように観賞した。NHK鹿児島放送局、観光かごしま大キャンペーン推進協議会主催。
大勢が集まってドラマ観賞を楽しむPVは1月の初回放送時に鹿児島市で開催された。この日は午後4時すぎの開場前から市民らが列をなした。
島編初回の13日放送は奄美のみずみずしい新緑や美しい砂浜の映像と対比するように、薩摩の搾取にあえぐ人々の姿が描写された。大河ドラマで方言に字幕が付いたのも珍しく、視聴者の反響を呼んだ。
20日の第19話「愛加那」は、西郷隆盛(鈴木亮平さん)が菊池源吾と名を変えて潜居した奄美大島で地元の人に寄り添い、心を通わせていくあらすじ。「とぅま」(二階堂ふみさん)が西郷から「愛」の字を授かり、愛加那と名を改める場面が最大の見どころとなった。
祝いの席では、愛加那の兄の妻・里千代金役で出演する歌手の里アンナさん(奄美市笠利町出身)の深みのある伸びやかなカサン唄が響き渡り、宴に花を添えた。
愛加那は西郷が薩摩出身ゆえに短期間でしかない夫婦生活を悟り、喜びと切なさのはざまで揺れ動く。心の機微を情感豊かに表現する二階堂さんの演技に、観客も涙しながら見守った。
鳥取市から駆け付けた西郷どんファンの川上邦子さん(38)は「奄美は初めて。昨日は西郷と愛加那が暮らした家も訪れた。当時に思いをはせながら放送を楽しみたい」と期待。奄美市名瀬の竹内貴子さん(53)と絹子さん(85)は親子で観賞し、「二階堂さんの演技が素晴らしくて感動した。トークショーで出演者の生の声が聞けて楽しかった。大画面で見る奄美の風景は美しかった」と話した。