無病息災願い「ソーメンガブー」 喜界町中里

2018年11月30日

芸能・文化

老若男女が入り乱れてそうめんを奪い合った「ソーメンガブー」=28日、喜界町中里

老若男女が入り乱れてそうめんを奪い合った「ソーメンガブー」=28日、喜界町中里

 喜界町の中里集落(野間昭夫区長、330世帯760人)で28日、島遊びが行われた。会場の旧中里公民館前広場にはたくさんの地域住民が集まり、シマ行事を楽しんだ。恒例のソーメンガブーもあり、約千袋のそうめんが夜空を舞った。

 

 中里の島遊びはウヤンコー(高祖祭)から3日目の恒例行事。午後2時、小雨の降る中、八月踊りと豊年相撲が行われた。午後7時には投げられたそうめんを奪い合うソーメンガブーが行われた。

 

 その日そうめんを食べると無病息災が約束されると伝えられている。喜界島の各集落でかつて米や酒を持ち寄って住民に振る舞った行事がそうめんを投げる行事に変わり、中里集落に残ったらしい。

 

 中里まりろう会(福島悟会長)のメンバーが手踊りをして盛り上げ、公民館ややぐらの上からそうめんを投げた。参加者も手踊りや手拍子を打ち存在をアピール。見事キャッチして喜ぶ姿や手に入れた後に他の人に奪われないよう必死に隠す姿も見られた。

 

 毎年参加しているという園田優さん(9)は服の中にそうめんを隠して「今年は七つ取った」とうれしそう。横山美星さん(10)は「そうめんを多く取るこつは、大きく手を上げて踊ることとさり気なく奪うこと」と戦略を語った。