田中一村、写生展開催中   一村記念美術館

2019年04月05日

芸能・文化

写生画42点を一斉に展示する「田中一村の写生展」=4日、奄美市笠利町の田中一村記念美術館

写生画42点を一斉に展示する「田中一村の写生展」=4日、奄美市笠利町の田中一村記念美術館

 奄美市笠利町の県奄美パーク・田中一村記念美術館で3月31日から、企画展「田中一村の写生展」が始まっている。一村が千葉や奄美で描いた動植物などの写生画42点を展示。同館は「作品を生み出す制作の原点をじっくり楽しんでほしい」としている。入場無料。5月19日まで。

 

 写生の企画展は2013年の奄美群島日本復帰60周年記念で開催して以来6年ぶり。普段あまり見ることのできない千葉・奄美時代に描いた昆虫や鳥、魚や植物などの写生や下絵、構想図などを一斉に展示する貴重な機会となっている。

 

 一村は本画を制作する際に繰り返し写生を行っており、写生の片隅にはサイズや色などの記録も添えられている。大阪から訪れた美術教諭の佐藤晶子さん(55)は「ものを見ようと闘っている様子が伝わってくる」と話していた。

 

 同館の前野耕一学芸専門員は「一村の描くものに対するまなざし、対象に向き合う真摯(しんし)な姿勢を感じてほしい」と来場を呼び掛けている。

 

 開館時間は午前9時~午後6時(最終日は同4時)。問い合わせは電話0997(55)2635同館。