秋名アラセツへ準備万端 龍郷町
2018年09月03日
芸能・文化
国の重要無形民俗文化財に指定されている龍郷町の「秋名アラセツ行事」で使う「ショチョガマ」が2日、集落と田袋を見下ろす中里(なざと)の山の中腹に完成した。秋名・幾里集落の住民と、他の地区からのボランティア計約120人が協力して祭場に資材を運び上げ、片屋根のわらぶき小屋(ショチョガマ)を建てた。
旧暦8月初丙(はつひのえ)の早朝に行われるショチョガマは、夕方に近くの浜である「平瀬マンカイ」とともに五穀豊穣を祈るアラセツの稲作儀礼。当日は潮の満ち始めるころにチヂン(太鼓)を打ち鳴らして祭りが始まり、山際から朝日が昇るとショチョガマが揺り倒される。今年の祭りは11日。
ショチョガマはシイの木で柱と屋根の骨格を組み、竹と稲わらで屋根をふく。幅約7㍍、高さ約3㍍。昼は地元婦人会と女性ボランティアたちが作った昼食を囲み、参加者全員で交流を広げた。
保存会の窪田圭喜会長は「先人の歴史を次世代へ受け継ぎ、地域の絆を深くする行事。当日は男性は屋根に上がって体験してほしい」と語った。