「小宿ユムタ」自費出版 岡山さん、「復活」の願い込め

2021年01月07日

芸能・文化

小宿ユムタ  奄美市名瀬小宿の島口を集めた「小宿ユムタ」(岡山計(かぞえ)著)が昨年12月、刊行された=写真。岡山さんは昨年6月、89歳で死去。夫人と妹が遺稿を集めて自費出版した。「エイト島口で話し、シマユムタを復活させてほしい」との願いがこもった一冊だ。

 本書は①方言から標準語②標準語から方言│の2部構成。「アンカリ=あるもの全部」「思い出す=オモイジャシ」など、島口の意味を調べるだけでなく、逆引きもできる。写真は佐藤大青さん、イラストはただの乙子さんが担当した。

 岡山さんは2007~18年、町内報「小宿だより」に方言紹介を掲載。12年は本紙文化面に「かぞえ兄の小宿ユムタ」を連載した。岡山さんは本書の「はじめに」に、「忘れ去られる島口の重要性を再認識すると同時に、標準語では表現できない、方言の持つぬくもりや深み、ユーモア、掛け替えのない島の文化であることに気づく」と記した。

 本書は400部印刷。希望者に配布する。問い合わせは電話0997(54)8850新庄よし子さん。