「世界遺産並みの観光資源」古高生、白糖工場跡で成果発表 維新未来博受賞記念講演会
2019年03月17日
子ども・教育
2月に鹿児島市で行われた明治維新150周年「維新未来博」高校生テーマ研究部門で最優秀賞に輝いた県立古仁屋高校(大山良一校長)の記念講演会「瀬戸内町に新たな価値を生み出すために」(同校主催)が16日、同町きゅら島交流館であった。約100人が来場。生徒らの発表から地元の観光資源になり得る白糖工場跡について理解を深め、地域活性化について考えた。 受賞した「日本スイーツの聖地」は、幕末から明治初期にかけて同町久慈集落で稼働していた白糖製造工場がテーマ。この日は2年生3人、1年生2人が登壇した。
生徒たちは「日本で最初に稼働していた近代的な白糖工場跡は世界遺産並みの観光資源になる」とする一方、跡地が埋まっていることや町民の間でも知名度が低いことを問題視。より身近に感じてもらうために取り組んできた工場の模型製作や小学生対象のバスツアーなどの成果を発表した。
会場には生徒が製作した白糖工場復元模型も展示され、訪れた町民らの視線を集めていた。
研究発表の前後には、田中完大島支庁総務企画部長が「明治日本の産業革命遺産」を紹介。鼎丈太郎瀬戸内町埋蔵文化財センター学芸員は久慈白糖工場跡の調査報告を行った。
また、大山校長は工場の復元模型の製作過程を詳細に解説。同校の米倉秀和教諭も研究を通した人材育成に関する今後の展望を語った。
講演を終え、発表した2年の奥村芽生さん(17)は「広く地域の方々に知ってもらう機会をいただけて感謝している。研究を引き継ぐ後輩もいるので、さらに研究を深め子どもたちに興味を持ってもらえるバスツアーを作り上げたい」と力を込めた。
聴講した久慈集落の武田政文区長(75)は「高校生の取り組みのおかげでこれからも歴史を子々孫々に伝えていくことができる。自分たちの郷里は価値あるものだと誇りを持てた。大変感謝している」と話していた。