「Z世代」視点で未来語る 万博目指す九州の中高生が主催 ・奄美市名瀬

2025年03月07日

子ども・教育

ミーティングでまとめた意見を発表する参加者=2日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA

中高生が主体のミーティングイベント「可能性の架け橋~全国中高生つながりプロジェクトin奄美」が2日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)であった。大阪・関西万博への参加を目指す九州地区の学生3チームが合同で主催し、奄美大島内の中高生約30人が参加。コミュニケーションの将来像や課題をテーマに自由に意見を交わした。

 

自らの取り組みについて発表する大島高校1年の當原心美さん

イベントは三菱みらい育成財団の支援で実施。同万博EXPOホールで7月31日に開かれる「高校生による世界への発信」出場を目指す熊本、長崎、福岡、大分、奄美市の高校生が中心となって島内の中高生に参加を呼び掛けた。

 

イベントの趣旨は①出会いの素晴らしさを実感する②今後の技術革新によるコミュニケーションの変化を考える│の2点。物心がついた頃からSNS(インターネット交流サイト)が普及していた、いわゆる「Z世代」の視点で意見を交わした。

 

会場設営や進行に関しても大人の手を借りずに中高生らが主体で実施した。参加者らは好きなアイドルや音楽、アニメなどの話題を交えながら、オンライン交流が当たり前になった現在のコミュニケーションについて考察。「国や地域を越えていろいろな人と出会える」などの利点が挙がる一方で、「画面越しなので内面よりも容姿を偏重しがち」「日常での偶然の出会いも大切」などの慎重論も出た。

 

コミュニケーションの将来像については「テレパシーのように頭で考えていることを伝えられる技術ができるかも」「オンラインが当たり前になる一方で、実際に対面して話すことの大切さも増す」│など、自由な発想が次々と挙がった。

 

参加した得いのりさん(大島高2年)は「同年代ならではの安心感の中で楽しく意見を交わせた」とイベントを振り返り、「主催者たちのように積極的に行動する人が将来の社会を引っ張っていくと思う。私もやりたいことを主体的に発言して実行できる人になれるよう努力したい」と話した。

 

他地域の高校生たちと結成した「butterfly effect」メンバーとしてイベントを主導した當原心美さん(大島高1年)は「人集めが不安だったが、多くの来場があり、同年代の将来に対する真剣さを感じることができた」と手応えを示し、「離島の中高生でも、社会や世界に対して行動できるという自信が得られた」と笑顔を見せた。

 

主催者リーダーの阿原理貴安さん(熊本高2年)は「奄美の子たちは最初はシャイな印象だったが、文章でなくイラストで視覚的に訴えるなどアイデアや表現が面白かった」と奄美での交流を振り返り、「万博に参加できるのは全国で3チームだけ。競争は厳しいが、きょうの交流を生かして九州の若者の意見を世界に届けたい」と意欲を込めた。