世界遺産の生き物学ぶ 沖縄でワークショップ 奄美博物館×沖縄こどもの国
2025年02月14日
子ども・教育

奄美と沖縄の世界自然遺産地域に生息する生き物などを観察した動物園ツアー=8日、沖縄県(提供写真)
奄美市立奄美博物館と博物館施設「沖縄こどもの国」の共同イベント「琉球のいきものワークショップ」が8日、沖縄県沖縄市の同施設チルドレンズセンターであった。親子連れなど10人余りが参加。講座や同施設内の動物園でのガイドツアーなどを通じて、奄美と沖縄の世界自然遺産地域に生息する生き物について学び、その魅力を体感した。
両施設は同じ世界自然遺産地域にある博物館として2022年10月から交流を続け、子ども向けに自然を学ぶワークショップなどを開いている。8日は奄美博物館から平城達哉学芸員(33)が沖縄を訪れた。
講座では平城さんが講師となり、奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島の世界自然遺産4島の固有種や共通種をクイズ形式で写真も交えながら紹介。奄美大島と徳之島のみに生息するアマミノクロウサギや、沖縄島北部のやんばる(山原)地域のみに生息する

沖縄で身近な「オリイオオコウモリ」を題材にした工作=8日、沖縄県(提供写真)
ヤンバルクイナなどに関しては、ロードキル(交通事故死)問題や事故防止対策についても説明した。共通種ではハブについて、沖縄と奄美で毒の成分や模様が違うことなどを紹介した。
動物園には保護され野生復帰が難しい生き物も飼育展示されている。参加者は日本では石垣島や西表島など沖縄の一部地域のみに生息する「カンムリワシ」や、沖縄で身近な「オリイオオコウモリ」、世界自然遺産4島すべてで見られる「カラスバト」などを観察。その後は「オリイオオコウモリ」を題材に紙を使った工作を楽しんだ。
参加者からは「沖縄では世界自然遺産のことを親子で学べるイベントが少なく、とても有意義だった」「次は野生の生き物を観察してみたい」などの感想があった。
平城さんは「子どもたちは奄美大島の動物についても関心があり、たくさん会話ができた。今後も(沖縄と奄美の)同じ世界自然遺産地域での活動を続けて、奄美大島の自然の魅力を発信していきたい」と話した。