中高生らが避難生活体験 防災キャンプを初開催 生き抜く力養う 瀬戸内町西古見
2024年08月07日
子ども・教育
瀬戸内町は6日、町営キャンプ場の西古見GATE(ゲート)で避難生活を体験する「防災キャンプ」を開いた。町内の中高生4人と、防災士や管理栄養士ら支援員7人が参加。被災時を想定して限られた道具で1泊2日を過ごし、生き抜く力を身に付けた。
同町の企画課と防災専門官の土井一馬さん(57)、会員のほとんどが防災士の資格を持つ奄美地区郵便局長会のコラボ企画。ソーラーパネルやEV車の充電施設などが完備され、集落の避難所としての使用も検討されている西古見GATEを利用し、防災の知識や被災時の対応方法を楽しく学んでもらおうと初開催した。
参加者たちは、同町きゅら島交流館で救急法や防災について学び、キャンプ場へ移動。道中は昨年6月の大雨で大規模な崩土が発生し、今も復旧作業が続く久慈集落を訪れ、身近で起こり得る災害について意識を向けた。
キャンプ場到着後は、災害現場調査や物資運搬に活用されるドローンの操縦を体験。途中、視察に訪れた鎌田愛人町長らと協力して就寝用にテントも設営した。
熱中症対策として経口補水液も手づくりしたほか、夕食は火おこしから、耐熱性のポリ袋を使ったパッククッキングにも挑戦した。
古仁屋高1年の三島虎太朗さん(15)は「初めての体験ばかりで楽しい。応急処置の仕方が勉強になった。よく友だちと山や川に遊びに行くので、いざというときに役立てたい」と話した。
土井さんは「不便な生活を体験することで普段の便利さを感じてもらいたい。さまざまな専門分野の大人たちが支援して子どもたちに知識を伝えることで、5年、10年先は、彼らが災害に強い町づくりを担っていってくれたら」と語った。