八月踊りって楽しい 奄高郷土芸能部が活動発表 「あまみならでは学舎」
2022年10月09日
子ども・教育
「わきゃぬシマ(集落)ぬ唄」を伝承していきたい―。県立奄美高校の郷土芸能部に所属する生徒10人は8日、奄美市名瀬の県立奄美図書館で開かれた生涯学習講座「あまみならでは学舎」で講師を務めた。高校生の視点でまとめた島唄や六調の概要を発表。最後は来場者約60人と一緒に八月踊りを踊り、奄美の伝統芸能を会場一体で楽しんだ。
郷土芸能部は創部20年以上の歴史を持つ奄美高の部活動。同高出身の慶勇樹顧問の指導の下、部員10人が活動している。ほとんどが八月踊りの未経験者だったが、先輩たちが歌い継いできた島唄や三味線、八月踊りを口伝で継承し、地域のイベントで成果を披露している。
8日は「高校生が考える奄美の島唄歴史」と題して講演。生徒らが自ら民俗文化の文献などをひもとき調べた内容を発表した。生徒らは、奄美大島北部の「かさん唄」と南部の「ひぎゃ節」の違いを伝えようと、ひぎゃ節の唄者・元ちとせさんの「朝花節」を動画で紹介。その後は、部員がかさん唄で朝花節も披露し、「南北でこんなにも違うなど、知れば知るほど奥が深いと感じた」と報告した。
後半は来場者と一緒に「島育ち」「赤木名観音堂」など4曲を踊った。新型コロナウイルス対策で輪になることはできなかったものの、会場には部員の軽快なチヂン(太鼓)と爽やかな唄声が響き渡り、ハト(指笛)の応援も加わって、本番の八月踊りさながらの盛り上がりを見せた。
部長を務める3年生の昌山亜紀さん(18)は「コロナの影響でこの2年間ほとんど発表する場がなかった。久しぶりで緊張した。唄の歌詞や歴史など分からないことはまだまだあるが、郷土芸能部に入ったことで奄美の魅力の奥深さを知った。後輩たちにも伝えていきたい」と話した。