外来植物を駆除 在来植物保護も学ぶ 龍南中1年
2020年10月08日
子ども・教育
龍郷町の龍南中学校(冨士篤也校長、生徒104人)は7日、同町長雲峠で外来植物の駆除作業を行った。1年生29人が参加。在来植物保護の重要性に理解を深めながら環境省の重点対策外来種に指定されているセイタカアワダチソウを根元から引き抜いた。
セイタカアワダチソウはキク科で大型の多年草。高さは1~2・5メートルに達し、8~11月に黄色い花を咲かせる。種が風や動物への付着などで散布されて広がる。繁殖力が強いため、根まで丁寧に引き抜き、飛散しないようビニール袋などに入れて焼却する必要がある。
同校は毎年、1年生が環境教育の一環で駆除作業に取り組んでおり、この日は龍郷町在住で長年活動に携わる宇都宮英之さん(63)、環境省奄美野生生物保護センター(大和村)の池上温人さん(24)らが講師を務めた。
生徒たちは、作業の前に環境省の絶滅危惧IA類に指定されているツルウリクサを観察。繁殖力の強い外来植物から固有種や希少種の生育する奄美の自然を守るために駆除活動が重要であることを学び、約40分かけてごみ袋23個分のセイタカアワダチソウを取り除いた。
作業に取り組んだ加藤笹月さん(13)は「外来種の駆除作業は初めて。(外来植物の)センダングサもたくさんあって抜いたほうがいいんじゃないかと思ったので、またこういう活動があったら参加したい」と話した。
講師の池上さんは「みなさんは外来植物を広げることも駆除することもできる。身近な問題であり、私たちの生活にも関わりがあることだと理解して」と生徒に呼び掛けた。