奄美博物館がリニューアル
2019年08月25日
子ども・教育
大規模リニューアル工事を終えた奄美市立奄美博物館(高梨修館長)で24日、リニューアルオープン記念式典が開かれた。来夏の登録実現を目指す世界自然遺産を視野に、自然と人が密接に関わりながら育まれた歴史や文化、独自の生態系を分かりやすく紹介。市指定文化財「南島雑話」写本の常設展示をはじめ、手で触れて学べるハンズオン展示、解説の多言語化も取り入れた。出席者からは「情報発信の拠点に」「地域活性化につながってほしい」と期待の声が寄せられた。
奄美博物館は1987年に開館した。全3階の展示を刷新する大規模リニューアルは初めて。総事業費1億円を投じ、昨年10月から今年8月16日までリニューアル事業が行われた。
記念式典は約150人が出席した。朝山毅市長は「30年以上にわたる調査研究の蓄積を反映させ、環境文化博物館として整備した。先人が守り育んできた奄美の独自性を改めてご覧いただきたい。国内外に発信することで自然遺産の誕生を後押しし、さらなる飛躍に期待したい」とあいさつした。
祝い唄やテープカットに続き、久伸博文化財課長が概要説明した。
館内は全体を通じストーリーを持たせた展示構成。1~3階はそれぞれ「海」「里」「山」をイメージした。
導入部分の1階は立体地形模型や、地域の方言と島唄を聞き比べできるタッチパネルモニターを新設した。2階では南島雑話に登場する民具を挿し絵と併せて展示。奄美通史コーナーは旧石器時代から現代までの歴史を資料やパネルで紹介した。
3階は自然と暮らしのフロア。シマ(集落)の年中行事や自然界の移ろいを1カ月ごとにまとめたコの字型の壁面展示が目を引く。中央の既設ジオラマは剥製の数を51種類に増やし、奄美の森をより体感できる内容になった。
リニューアルオープンを記念し、9月1日まで入館料無料で開放する。