徳之島高3年生、バレイショ実証栽培を検証
2019年01月22日
子ども・教育
徳之島高校総合学科生物生産系列の3年生4人は18日、伊仙町の旧徳之島農業高校内で本年度から取り組んでいるバレイショの実証栽培の検証結果を報告した。発酵液を散布することで、通常栽培より施肥量が少ない条件下でも収量が増加し、玉ぞろいも確認できたという。次年度以降も継続して実証栽培を行い、効果検証に取り組む考えだ。
同学科は課題研究の授業があり、施肥量の削減による生産コストの縮減と収量の維持をテーマに選定。植物活性剤を活用した農作物の栽培事例などをヒントに昨年4月、バレイショの葉っぱやヨモギ、糖みつ、魚のあらなどを原料に発酵液を作った。
同年10月に肥料を通常の①100%②70%③50%―と施肥量の異なる3列の畝(うね)にバレイショを定植。②と③の畝には一部を除き、12月から1週間置きに適量の液肥を加え100倍、500倍に希釈した発酵液を散布し、今月16日に収穫した。
検証は町内の一般農家の作物と希釈倍率の異なる発酵液を散布したバレイショを活用して行った。収穫した5株分の収量と玉の大きさを比較した。
農家のバレイショ収量は1・58キロ。これに対して①の畝は1・31キロ、②の畝は▽100倍=1・59キロ▽500倍=1・66キロ▽散布なし=1・25キロ、③の畝は▽100倍=1・88キロ▽500倍=1・65キロ▽散布なし=1・40キロで、発酵液を散布した4パターンはいずれも一般農家の収量を上回り、玉肥大もほとんどがM、Lの大きさにそろった。
生物生産系列3年の廣真人さん(18)は「発酵液を活用することで、施肥量が少なくても一般農家以上の収量が確保できて予想以上の結果。発酵液を使ったバレイショ栽培が島内に広まれば」と期待を寄せた。
今回の検証結果は31日に徳之島町文化会館で開かれる同学科学習発表会で発表する。同学科は次年度以降も発酵液の改良などを行い、検証を進める方針だ。