徳高総合学科、黒ウコン実証栽培を公表
2020年01月28日
子ども・教育
徳之島高校総合学科生物生産系列の3年生4人はこのほど、伊仙町の旧徳之島農業高校内で本年度取り組んだ露地での黒ウコン実証栽培の検証結果をまとめた。暴風や直射日光を遮る対策を講じることで、1株当たり160~170グラムの収量が得られることを確認。島内生産者へ結果を報告し、今後の栽培拡大に役立ててもらう考えだ。
黒ウコンは主に東南アジアで栽培されている。島内の生産者は数人で、1株当たりの収量は約100グラムにとどまるなど、露地栽培の栽培暦は確立されていない。同校では徳之島町内の生産農家から依頼を受け、昨年5月から同学科の課題研究授業の一環として露地栽培に取り組んだ。
昨年5月に前年度に育てた自家種苗と、黒ウコンジャパン株式会社(京都府)が製造した組織苗の2種類を定植。ほ場周辺には暴風と直射日光の遮断対策でソルゴーを植え、通常肥料とサトウキビの残さ(バガス)を加えた肥料で比較検証した。
同校実習助手の西村盛勝さん(60)によると、組織苗は定植から2カ月後に直射日光の影響で枯れたが、自家種苗は順調に成長して今年1月10日に収穫した。5株分の収量はバガスを加えた肥料は790グラムと、通常施肥の856グラムに及ばなかったものの、粒が通常施肥より大きく一定の収量が得られた。
西村さんは「組織苗が枯れてしまったのは残念だが、直射日光に弱いことが分かったのは収穫。栽培歴が確立されていない中、ある程度の収量は確保できた」と分析した。
生物生産系列3年の若山蓮人さん(17)は「黒ウコン栽培は初めてで難しかった。収量はいまいちだったが、この結果を基に島内で栽培する人が増えてくれたら」と話した。
同学科では黒ウコン栽培に加え、バレイショの葉やヨモギ、糖みつなどを原料とする独自の発酵液を活用したバレイショの実証栽培も前年度に続いて実施。発酵液を散布することで、通常より30%施肥量を少なくしても収量が増加したほか、玉ぞろいの均一化が確認された。
今回の検証結果は31日に徳之島町文化会館で開かれる同学科学習発表会で発表する。