新たな支援制度創設提言も 学生確保、定住へ意見交換 奄美看護福祉専門学校

2023年05月30日

子ども・教育

約30人が出席した奄美看護福祉専門学校の「島内の若者の定住を促す集い」=29日、奄美市名瀬

奄美市名瀬の奄美看護福祉専門学校(向井奉文校長)は29日、同市名瀬の市民交流センターで「島内の若者の定住を促す集い」を開いた。行政や奄美大島内の高校関係者ら約30人が出席し、同校の授業内容や取り組みに対し理解を深めたほか、定住に向けた意見交換を実施。奄美群島振興交付金を活用した学生支援の仕組みづくりなど新たな提言があった。

 

同校は旧名瀬市の要請を受け、学校法人日章学園(本部・宮崎県)が1995年に開校。2000人以上の卒業生を送り出し、約700人が群島内で就職している。一方、生徒数は減少。2023年度は看護、こども・かいご福祉の2学科とも定員を下回っており、授業料免除や体験入学者の旅費支援など自治体と連携した複数の支援制度を設け、学生確保に取り組んでいる。

 

向井校長ら同校関係者は「奄美を担う人材が、奄美で育っていくことが大切。島内の若者定住に向け、さまざまな創意工夫の意見をいただきたい」と出席者に協力を求めた。

 

各学科の卒業生は学校生活や実習風景を紹介。「少人数制で教員のサポートも厚い。学生の年齢層も幅広く、多様な価値観が身に付き視野も広がる。地域医療も学べ、実習先が実際の職場になることもあり、将来をイメージしやすい」と同校の魅力を語った。

 

意見交換では西公郎奄美市議会議長が高校関係者に、経済的な理由から進学を断念している子どもの現状を質問。「奄美群島振興交付金を活用し学生の島内進学を支援するなど、学校を存続させる新たな仕組みも考えていくべきだ」などと提言した。