日本サンゴ学会奨励賞に「喜界島科学研」
2019年11月16日
子ども・教育
日本サンゴ礁学会がサンゴ礁の保全に顕著な功績のあった個人・団体に贈る2019年度のサンゴ礁保全奨励賞に、喜界島を拠点に活動するNPO法人喜界島サンゴ礁科学研究所(渡邊剛理事長)が選ばれた。子どもたちがサンゴ礁の研究活動を行うサイエンスキャンプなど、地域に根差した普及啓発の取り組みが評価された。
喜界島サンゴ礁科学研究所は2014年7月に設立。15年10月に法人化。国際的にも希少な隆起サンゴ礁で形成された喜界島を拠点に、サンゴの飼育やサンゴ礁の健康診断を行うリーフチェック、学術調査など行政、研究者、大学と連携した研究調査活動を展開している。
毎年夏休みに開催しているサイエンスキャンプには島内外の児童生徒が参加してフィールドワークに取り組んでいる。児童生徒対象のサンゴ塾の開講や、サンゴ礁文化の伝承など教育啓蒙(けいもう)活動にも力を入れる。
北海道大学で開催された日本サンゴ礁学会(11月8~11日)で10日、受賞式があり、同研究所の渡邊理事長、山崎敦子所長らが出席して表彰状を受け取った。
同学会にはサンゴ塾で学ぶ津田和忠さん(喜界高校2年)、日吉慎太郎さん(同)、板倉誠一郎君(喜界中学校1年)も参加し、研究成果についてポスター発表を行った。
山崎所長は「研究者だけでなく、子どもたちや地元の人が集まる多様な環境の中で、学術面だけではないサンゴ礁の普及に貢献できたと思う」と受賞を喜び、「活動に参加する人を増やして、島内外のサンゴ研究を盛り上げていきたい」と話した。