満席の会場、感動の渦 初の島外公演で児童生徒躍動 劇団「えらぶ百合物語」

2023年09月01日

子ども・教育

初の島外公演で多くの観客を魅了した島民創作ミュージカル「えらぶ百合物語」=8月25日、姶良市文化会館加音ホール(chibihike撮影、百合の会提供)

【沖永良部総局】沖永良部島の小学生―高校生で構成する劇団えらぶ百合物語は25日、姶良市文化会館加音ホールで島民創作ミュージカル「えらぶ百合物語」(百合の会主催)を上演した。初の島外公演でチケットは前日までに完売。子どもたちは約800人の観客を前に堂々とそれぞれの役を演じ切り、会場を感動の渦に巻き込んだ。

 

えらぶ百合物語は沖永良部島のユリ球根栽培の歴史を絡めた物語で、同劇団が知名町の文化事業として2011年に初演。子どもたちの熱意を受けて活動は継続され、20年からは保護者を中心とした「百合の会」(南山浩一代表)が運営を引き継いでいる。

 

今公演では地元から小学4年生―高校1年生の団員16人と、同ミュージカルの脚本・演出を担当する松永太郎さんが主宰する県本土の劇団ニライスタジオ団員17人の計33人が出演した。

 

観客は出演者のこん身の演技、歌、ダンス、心揺さぶるストーリーに引き込まれたようで、熱心に鑑賞。沖永良部島出身で奄美市から訪れた50代女性は「沖永良部の子どもたちがこんなに素晴らしいパフォーマンスをすることに驚きと感動で涙が止まらなかった。子どもたちからたくさんのパワーをもらった」と感激した様子だった。

 

会場の外ではおきのえらぶ島観光協会の協力で土産物や特産加工品販売も行い、島の魅力をPRした。

 

公演後、出演した德田結衣さん(16)=沖永良部高校1年=は「本番前に満席になったと聞いて緊張したが、演技が始まると集中し、納得のいく演技ができた。最後に観客が拍手してくださる様子を見て感激した。これからもミュージカルを続けたいと思った」と充実した表情で語った。