県農大生が老舗果実店で研修 伊仙町出身の赤崎さん 県外で初の実務実習

2019年09月06日

子ども・教育

 【東京支社】鹿児島県農業大学校で学んでいる伊仙町出身の赤崎聖人さん(21)は今月5日まで、東京の老舗果物専門店・㈱千疋屋総本店(本社・東京都中央区)で実務研修を行った。

 

 赤崎さんは農学部農業研究科1年。大学では農業の技術革新や経営環境変化に対応できる経営管理能力や先端的技術を学んでいる。

 

開店前の店舗で清水本店販売部長から指導を受ける赤崎さん(中央)2日=東京都日本橋・千疋屋総本店

開店前の店舗で清水本店販売部長から指導を受ける赤崎さん(中央)2日=東京都日本橋・千疋屋総本店

 研究科の学生の実務研修はこれまで、県農業開発総合センターなど県内で行っており、県外では初めて。赤崎さんが志願し、千疋屋総本店が受け入れた。研修は7月に始め、果物の流通から実店舗での接客実技まで多岐にわたった。

 

 赤崎さんは「果物の品質は当然ながら、梱包や包装、流通まで『こだわり』と『約束』がある。1834年創業の日本を代表する老舗果物専門店での研修は新たな発見の連続。消費者と生産者それぞれの立場で農業経営を考え、張り巡らせたアンテナで時代のニーズを的確に把握する重要性を痛感した」と研修先に感謝し、「将来は徳之島で家業の農家を継ぎ、島へ恩返ししたい」と語った。

 

 千疋屋総本店の清水明販売部長は「真しに研修に向かい、貪欲に学び続けた赤崎さんの姿勢を高く評価したい。次世代の農業を支えるお手伝いができたことがうれしい」と期待を寄せた。