紙芝居「ワイド節」上演 指宿さん迎え、シマ唄鑑賞会 伊仙小学校
2022年11月12日
子ども・教育
伊仙町の伊仙小学校(古田良成校長、児童数166人)で4日、シマ唄鑑賞会があった。講師は唄者の指宿桃子さん(30)。徳之島の定番ソングとなっている「ワイド節」の誕生秘話を紙芝居で上演。沖縄と奄美の三線(三味線)の違いも解説した。児童たちは唄文化の深さや多様性を学んだ。
鑑賞会はあいさつの島唄「朝花節」で幕を開けた。指宿さんは「国直(くんにょり)よね姉(あご)」「徳之島小唄」「ワイド節」を次々と歌った。徳之島小唄では児童が太鼓をたたいた。
紙芝居は実話を基に作成した。父親の指宿邦彦さん(69)が絵を描き、指宿さんが物語を手掛けた。ハンセン病にり患し、奄美和光園に入所した男性が「古里の闘牛が見たい」と願っていた。その願いを和光園のレントゲン技師で作詞家の中村民郎さんと、唄者の坪山豊さんが唄でかなえる物語。
中村さんも坪山さんも闘牛を観戦したことがなかった。唄を作るため、中村さんは入所者から闘牛に関するたくさんの話を聞き、坪山さんはフェリーに乗って徳之島へ行き、闘牛を観戦した。物語の最後、指宿さんが「何の曲か言ってみよう」と問いかけると、児童たちは一斉に「ワイド節!」と答えた。
三線の違いにも児童たちは興味津々。指宿さんは「沖縄は弦の色が白でバチは牛の角が主流、人差し指に付ける。音は奄美の三線よりも低い。奄美は竹のバチが主流。弦は沖縄よりも細い」と解説した。
鑑賞会を終えた児童たちは「三味線を習いたいと思った」「ワイド節のことを家の人にも教えたい」と感想を述べた。指宿さんは「徳之島は最高の島。これからも島の魅力や島唄を少しずつ伝えていきたい」と話した。