身近な自然の魅力を再発見 平城さんが特別授業 大島北高

2021年07月18日

子ども・教育

学校周辺で身近な動植物を観察する生徒ら=14日、奄美市笠利町

   奄美市笠利町の県立大島北高校(下髙原涼子校長、生徒117人)で14日、奄美市立奄美博物館学芸員の平城達哉さん(30)による生物の特別授業があった。26日にも決定が見込まれる奄美・沖縄の世界自然遺産登録を前に、地元奄美大島の希少な動植物を紹介。学校周辺でのフィールドワークもあり、生徒たちは生物多様性を支える奄美の自然の魅力や保全の大切さを学んだ。

 

 授業は普通科の3年生20人が対象。卒業後は多くの生徒が島外へ進学・就職することから、「地元を離れる前に奄美の魅力を再発見してもらおう」と開催した。

 

 平城さんは始めに、奄美・沖縄を「国際的にも希少な固有種が多く、多様な動植物を保全するために重要な地域」と説明。世界中で両地域にしか生息しない希少な生き物を次々と写真で紹介し、それぞれの特徴を解説した。

 

 座学の後は学校周辺でフィールドワークを行った。学校裏手の林からは国の天然記念物で環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類の「オーストンオオアカゲラ」の鳴き声が聞こえ、生徒たちは身近な自然の豊かさに驚いていた。

 

 一方、海沿いでは外来植物なども確認され、動植物の保全の取り組みや外来種問題などの課題についても考えた。

 

 卒業後は進学して生物学を学びたいという川上寛斎さん(18)は「卒業までにもっと生き物と触れ合い、奄美の魅力を発信できるような人になりたい」と話した。