一村になりきって絵模写 キッズクラブ、終焉家清掃も

2022年04月18日

子ども・教育

有川学芸員(右)の指導を受けながら真剣に模写に取り組む一村キッズクラブの児童ら=17日、奄美市名瀬

奄美の自然を題材に多くの作品を残した孤高の画家、田中一村の功績を学ぶ「一村キッズクラブ」の2022年度1回目の活動「一村さんの絵から学ぼう」が17日、奄美市名瀬の田中一村終焉(しゅうえん)の家であった。小学生と保護者ら約10人が参加し、敷地内の清掃と水墨画の模写に取り組んだ。児童らは一村の作品を手本に、細かい部分まで丁寧に描いていた。

 

県奄美パーク・田中一村記念美術館が小~高校生を対象に20年8月から続けている活動。メンバーは随時募集しており、現在8人の児童生徒が所属。毎月1回、一村の功績や生き方を学びながら作品づくりに励んでいる。

 

この日、児童らは庭の草刈りや落ち葉拾い、室内の掃除に汗を流した後、水墨画の模写を体験。一村の幼少期から奄美で暮らした晩年までの4作品を手本に、筆ペンや水彩絵の具を使って植物や風景を描いた。児童らは一村が過ごした部屋で画用紙と向き合い、線の濃さや配色などを工夫しながら真剣な表情で筆を運んでいた。

 

アジサイの絵を模写した小宿小2年の本間妃陽さん(7)は「花のところの色を変えて描くのが難しかったけど、水色がうまくできた」と出来栄えに満足した様子。「将来は画家になって写真みたいな絵を描いてみたい」と意気込んだ。

 

模写を指導した有川幸輝学芸員は「子どもたちが一村になりきって楽しんで描いてくれた。将来、すごい人の家で絵を描いたんだと気付いてくれれば」と話した。