判断力で命を守れ 児童ら津波想定し模擬訓練 徳之島町の山小

2022年05月14日

子ども・教育

自分たちの選択した避難ルートについて説明する受講者=13日、徳之島町の山小学校体育館

名瀬測候所の出前授業「津波防災ワークショップ」が13日、徳之島町立山小学校(遠矢美緒校長、児童7人)で開かれた。同小児童のほか、山中の生徒、山幼稚園の園児ら計14人が受講。津波が発生した際に、どんな行動を取るべきか意見を出し合い、自らの命を守るための判断力を養った。

 

授業は、架空の町のコンビニエンスストアで地震に遭ったとの想定で実施した。受講者は3グループに分かれ、地図の情報から避難ルートを選択。「地震発生時」「1分後」「3分後」「12分後」「津波到達時」と五つの時点で取るべき行動を話し合いで決めた。

 

地震で橋が壊れて通行できなかったり、高齢者と一緒に避難すると地図上で移動できる距離が短くなるなど、決断次第でその後の行動や制限も変化する。受講者はさまざまな決断を下しながらそれぞれの避難場所を目指したが、津波の届かない場所まで避難できたのは3グループ中1グループだけだった。

 

高野麻鈴さん(中学2年)は「できるだけ遠くへ移動することを重視したが、津波が届かない地点まではたどり着けなかった。もっと早い段階で高い建物に避難した方が安全だったかもしれない」と反省点を挙げ、「危険が迫る中で決断するのは難しい。避難場所などは前もって調べておくことが大切だと感じた」と感想を述べた。

 

講師を務めた名瀬測候所国土交通技官の盛島実竜さん(27)は、「あくまでも模擬なので、避難の過程でどのように考え、行動するかが大事」と受講者へ語り掛け、「まずは自分の命を守ることが大前提。災害を想定して避難場所や連絡の方法などを家庭内でも確認しておいてほしい」と呼び掛けた。