原爆の惨禍、平和への思い語る 被爆体験者・計屋さんが講話会 戦争の恐怖「忘れないで」小宿中

2022年12月14日

子ども・教育

計屋さんの体験談に熱心に耳を傾ける生徒ら=13日、奄美市名瀬

長崎県在住で太平洋戦争末期に投下された原子爆弾で被爆した計屋(はかりや)道夫さん(85)が13日、奄美市名瀬の小宿中学校(前泊勝利校長、生徒150人)を訪れ、被爆体験などについて全校生徒に講話した。生徒は開戦の経緯や戦時中の学校教育、被爆時の様子などについて学び、「戦争は何をもたらしたか。今後日本はどうすべきか。決めるのは君たち自身だ」と語り掛ける計屋さんの言葉に真剣に耳を傾けた。

 

小宿中学校で被爆体験の講話を行った計屋道夫さん(左)=13日、奄美市名瀬

今年5月、同校2年生が修学旅行で長崎を訪れ、長崎平和推進協会員の計屋さんの被爆体験を聴講。「ぜひ奄美で多くの子どもたちに話を聞かせてほしい」と同校が計屋さんへ依頼したことから、サポートする妻の美穂子さん(76)と共に来島した。

 

計屋さんは東京生まれ。7歳で屋久島に疎開し、その後長崎へ。8歳の時に原爆投下の中心地から3・8㌔離れた自宅で被爆した。 講話で計屋さんは「突然目の前が真っ白になった。強烈な爆風でガラスが割れナイフのように壁に突き刺さった」と振り返り、原爆の惨禍と放射性物質が残した恐怖、そして平和への強い思いなどを語った。

 

さらに、「2度と核兵器が使用されることがあってはならない。戦争で何が起こったのかを知り、学び、忘れないで」と強調。2年生の勝村美姫さん(14)は「計屋さんに再会でき、平和について新しく学ぶことができて良かった」と話した。

 

講話後は、2年生61人が学習発表会を実施。講話から学んだ平和の大切さや歌と詩の朗読を交え、計屋さんへの感謝を伝えた。

 

計屋さんは同日午後、奄美小学校でも講話を行った。15日に同市笠利町の赤木名中学校、龍郷町の龍南中学校でも講話する予定。