大高生、郷土の魅力学ぶ/自然・文化について講演/環境省

2018年06月14日

子ども・教育

「これは何の鳴き声」と問い掛ける高橋さんと話し合う生徒=13日、奄美市名瀬大島高校

「これは何の鳴き声」と問い掛ける高橋さんと話し合う生徒=13日、奄美市名瀬大島高校

 奄美市名瀬の県立大島高校(竹井俊久校長、生徒758人)で13日、奄美大島の自然に関する講演会があった。1、2年生約500人が受講。世界自然遺産登録を目指す奄美の現状について理解を深め、郷土への愛着や地域の担い手としての自覚を育んだ。

 

 講演会は同校の郷土学習の一環。環境省奄美野生生物保護センター自然保護官補佐の高橋周作さん(23)が「生命にぎわう亜熱帯のシマ―奄美大島の現状とこれから」をテーマに講演した。

 

 高橋さんは「世界遺産は何種類あるか」「これは何という生物の鳴き声か」などクイズ形式で世界遺産や奄美の自然を解説。生徒は答えを考え、話し合いながら積極的に学んだ。

 

 5月初旬に勧告された奄美・沖縄の世界自然遺産登録延期について高橋さんは「生物多様性の価値は認められたが、推薦区域の設定や保護の取り組みが不十分と判断された」と説明。マングースや野生化した猫(ノネコ)など動物に限らず、植物の外来種問題も深刻な状況にあると訴えた。

 

 奄美群島に唯一「環境文化型」の国立公園が指定されたことにも触れ、「自然と共生する中で培われた伝統文化が奄美の大きな魅力」と説明。「奄美の魅力を損なわないために、みなさんにできることは」と問い掛け、講演を締めた。

 

 2年生の押村匠真さん(17)は「奄美の自然をより深く知れた。外来種駆除やごみ拾いだけでなく、伝統文化を受け継ぐことも大切だと感じた」と話した。