早めの避難、日頃の備えを 土砂災害出前講座始まる 大和中学校

2025年05月10日

子ども・教育

真土砂災害の実験模型を囲んで県大島支庁建設課の職員から説明を受ける生徒ら=9日、大和村

県大島支庁建設課による土砂災害出前講座が9日、大和村の大和中学校(窪田雅彦校長、生徒27人)で開かれた。当日出席の生徒26人が参加し、自分と家族の命を守るための事前の備えと早めの避難の重要性を学んだ。

 

出前講座は小中学生の防災教育推進を目的に毎年開催しており、奄美群島では2011年度から、開催希望のあった学校で実施。今年度は奄美大島、徳之島、喜界島の計14校で開催を予定している。

 

大和中の講座では同課の職員6人が講師を務め、土砂災害が「土石流」「崖崩れ」「地すべり」の3種類に分類されていることを解説。それぞれが発生する原因や前兆、起こりやすい場所を事前に把握し、避難への備えをしておくことが最も重要と強調した。国土交通省のポータルサイトや気象庁の「キキクル」、県や各自治体のホームページなどを活用し、気象情報やハザードマップで積極的に情報を集めることも呼び掛けた。

 

生徒たちはスクリーンに投影された同村思勝地区の土砂災害警戒区域を真剣な表情で見詰め、学校や自宅の場所を確認。模型を用いた実験もあり、砂防えん堤の効果も学んだ。

 

県大島支庁の池水清人建設課長らは「土砂災害から自分と家族を守るためにできることを知ってほしい。命を守るために、早めの避難と日頃の備えを身に付けて」と呼び掛けた。2年の郁島沙世さん(13)は「これまで避難場所や経路を家族と確認したことはなかった。家に帰ったら両親に伝えて、家族と話してみたい」と語った。