留学生がパッション収穫 瀬戸内町

2020年06月16日

子ども・教育

真剣な表情でパッションフルーツの収穫を行う古仁屋高校の寮生=13日、瀬戸内町阿木名

真剣な表情でパッションフルーツの収穫を行う古仁屋高校の寮生=13日、瀬戸内町阿木名

 瀬戸内町の県立古仁屋高校(重吉和久校長)寮に所属する地域みらい留学生は13日、同町阿木名で農業体験を行った。2年生8人が参加し、町の特産品であるパッションフルーツの収穫や出荷作業を通して農家の苦労や農業の魅力に触れた。

 

 同校は生徒数減少に伴い島外からの留学生募集に力を入れており、留学生は4月6日現在で18人(男子11人、女子7人)。農業体験は今年度からスタートした寮の行事で、生徒たちに卒業後や将来の選択肢の一つとして奄美での生活を考えてもらう狙い。

 

 同町のパッションフルーツは皇室献上品としても知られ、農家らで組織する産地協議会は「瀬戸内パッション」ブランドの高品質な果実生産に取り組んでいる。体験には、同協議会員で障がい者就労支援農業事業を展開する合同会社奄美(里山正樹代表社員)が協力した。

 

 生徒たちは24㌃のハウスで2人1組になって作業。社員らのアドバイスを受けながら果実の色、つやを目安に真剣な表情で完熟果を見極め収穫した。収穫後は手作業で一つ一つの実を拭き上げ、色ムラや傷の有無を確認した。

 

 里山代表からは1人1箱(2㌔分)がプレゼントされ、生徒たちは保護者への贈り物としてうれしそうに発送作業に取り組んだ。

 

 滋賀県から入寮した志摩那波さん(16)は「帰省するときには奄美のお土産としてよくパッションフルーツジャムを買う。手間と愛情を掛けておいしい実ができるんだと実感した」と笑顔で話した。

 

 古仁屋高校振興コーディネーターの高田康平さんによると、寮では今後、漁業や福祉分野でも職業体験を展開するという。