文化財の由来や価値知る 知名町

2018年08月06日

子ども・教育

地下水をバケツにくみ、階段を上がる参加者=5日、知名町の住吉クラゴー

地下水をバケツにくみ、階段を上がる参加者=5日、知名町の住吉クラゴー

 知名町の2018年度文化遺産めぐり(町教委主催)が5日にあり、子どもから一般まで25人が町内各地の文化遺産を見て回った。沖永良部島で唯一の国指定史跡「住吉貝塚」をはじめ、今年4月に県指定史跡となった「中甫(なかふ)洞穴」など5カ所を巡り、町内にある文化財の由来や価値を学び、保護意識を高めた。

 

 一行は町教委学芸員の宮城幸也さんと町文化財保護審議会委員の大山澄夫さんらの案内で5カ所を見学した。

 

 最初に訪れた久志検の中甫洞穴は奄美群島で最古級の土器「爪形文土器」が発見され、1980年代に3度の発掘調査が行われた。参加者は土器や墓、生活道具など当時の生活の様子を知る貴重な遺跡であることなどを学んだ。

 

 続いて久志検集落の公民館にある樹齢1千年以上(推定)のフクギを見学。児童らが手をつないで木を囲み、幹の太さも確かめた。

 

 住吉では貝塚に加え、クラゴー(暗川)と九本柱の高倉を訪れた。クラゴーは水道がなかった時代、主に女性や子どもたちが地下約30㍍に溜まった水をおけにくんで頭に乗せ、家まで運んだとされる。

 

 参加者もバケツに水をくんで頭に乗せ、当時の作業を疑似体験して先人の苦労をしのんだ。

 

 知名小5年の益山みちるさん(10)は「下から水を運ぶのはとてもきつかった。昔の人はこれを何度もしていたなんてすごいと思った」と感心していた。