サンゴ礁文化を地域の資源に サンゴ研、WWFと協定 喜界町
2018年10月16日
政治・行政
喜界町は15日、NPO法人喜界島サンゴ礁科学研究所(渡邊剛理事長)、世界自然保護基金(WWF)ジャパンと「サンゴ礁保全と持続可能な地域づくり」の協定を結んだ。サンゴ礁の恩恵を受けてきた人々の生活・文化を調査して地域資源として活用し、サンゴ礁の保全と島の発展を目指す。
喜界島は、国際的にも希少な隆起サンゴ礁で形成された。サンゴ礁科学研究所は2015年、サンゴ礁とサンゴ礁に関わる生物の研究と科学教育の拠点とし、自然科学の発展と喜界島の経済・社会・文化的発展につなげようと開設された。
協定によると、町側は島の観光振興計画に基づき、科学研究所が実施する「サンゴの島の暮らし発見!プロジェクト」と相互協力。WWFジャパンは南西諸島プロジェクトで、地域活性化を視野に入れた環境保全活動を町や科学研究所と協力しながら進める。
調印式は町役場であった。川島健勇町長は「サンゴ礁科学研究所を拠点にあらゆるところからアプローチがあり、喜界島が注目されていることを実感する。地球規模で見て面白い島。協力しながら島の宝を守っていきたい」と述べた。
科学研究所の渡邊理事長は「各団体と連携することで地域に根差した活動ができ、長い視野で研究・教育・保全を考えることができると期待している」、WWFジャパン自然保護室南西諸島プロジェクト担当の鈴木倫太郎さんは「喜界島はサンゴ文化が色濃く残っている。サンゴ礁は白化現象も少なく、いい状態を保っている。継続的に保護し、サンゴ礁の恵みを受けている方々の地域づくりの手伝いができれば」と今後の展望を語った。
今後、島内の集落を回ってサンゴ礁と人々の生活・文化の関係などを調査し、地域活性化の資源リストを作成する。