ドクヘリの急患搬送で意見交換 与論島
2021年06月16日
政治・行政
与論町と同町議会は9日、与論徳洲会病院を訪れ、ドクターヘリによる急患搬送について意見交換した。奄美と沖縄県のドクターヘリ併用を求める住民からの要望を伝え、理解と配慮を依頼。要望の実現に向けた取り組みの必要性を確認した。
町から山元宗町長、田畑文成町民福祉課長、町議会から髙田豊繁議長、林隆壽総務厚生文教委員長が出席。徳洲会病院は高杉香志也院長ら4人が対応した。
ドクターヘリによる急患搬送については3月までに、住民有志らでつくる「島想会」が町と町議会に要望書を提出。患者やその家族の意思を尊重し、奄美ドクターヘリによる奄美大島への搬送と、沖縄ドクターヘリによる沖縄への搬送の併用を求め、町内外から集まった3600人余りの署名簿を添えた。
意見交換で髙田議長は、病院のこれまでの新型コロナウイルス対策への尽力に感謝を述べた後、住民からのドクターヘリに関する要望内容を伝え、「多くの方々からの要望を重く受け止め、与論徳洲会病院や消防当局、鹿児島、沖縄両県の行政や医療関係機関などへお願いするという方向で動いている。住民の意向を十分にくみ取りいただき、特段の理解と配慮を」と訴えた。
高杉院長は「与論により近い沖縄ドクターヘリは利便性が高いが、沖縄県の保有であり、もっと円滑に利用できるよう、鹿児島、沖縄両県の知事レベルでの話し合い、協議連携が求められる。町民の大切な命を救うためには、NPO法人メッシュ・サポート(沖縄県)の航空機や航続距離の長い鹿児島県の消防防災ヘリの補完的な利用も必要ではないか」などと応じた。
町側は、沖縄県のドクターヘリが鹿児島県の依頼を受け、奄美群島の徳之島、沖永良部島、与論島を運航対象とすることを承諾した書面の存在や、町、町議会のこれまでの要望活動を説明。国会で議論されているドクターヘリの拡充について、国、県、政界に対し、その必要性と実現に向け、強く要望するとの決意を表明した。