一般会計過去最高の350億円 扶助費100億円超え 25年度当初予算案 奄美市
2025年02月20日
政治・行政
奄美市は19日、2025年度当初予算案を発表した。一般会計総額は24年度当初比8・7%(28億378万2千円)増の349億8647万3千円となり2年連続の増額。普通建設事業費などの増加に加え、物価高が予算全体を押し上げ、当初予算としては過去最高額となった。歳出では扶助費が初めて100億円を超えた。25年度予算案は同日の市議会3月定例会に提案。安田壮平市長は昨今の物価高などに対応しつつ、引き続き子育て支援や、稼ぐ力の強化に関する施策を充実させた予算編成であることを強調した。
【歳入】自主財源の総額は75億1897万円(前年度当初比8・1%増)で、歳入全体に占める構成比は21・5%。うち市税は41億5704万3千円で、前年度当初比6・5%増。
市税は、納税義務者数の増や中間所得者層の割合増、固定資産税の増額などが見込まれ、当初予算としては過去最高額。定額減税が導入された前年度当初と比較すると、約2億5千万円の増額となった。
依存財源は前年度当初比8・9%増の274億6750万3千円で、全体の78・5%を占めた。うち地方交付税は3・8%増の130億9643万3千円。市債は30・2%増の30億7160万円。普通建設事業費の増額などに比例して増えた形。
【歳出】義務的経費のうち、歳出の約3割を占める扶助費は5・7%増の104億4420万3千円。24年10月から児童手当が拡充されたことや、介護給付等事業費や障害児給付等事業費の増額などが主な要因。一方、世帯数の減少などで生活保護費は減額を見込んでいる。
人件費は5・9%増の57億1007万9千円。24年度の人事院勧告に伴う職員などの給与引き上げが主な要因。
投資的経費のうち普通建設事業費は26・9%増の39億4572万7千円。主な事業と予算額(単年度分のみ)は、▽笠利地区認定こども園整備事業10億7348万3千円▽住用地区同5億5031万9千円▽公営団地ストック改善事業2億5270万円▽宇宿貝塚史跡公園観光拠点再整備事業1億2635万9千円。
物件費は17・1%増の34億9466万7千円。市内の小・中学校で児童生徒が活用するタブレット機器などの更新を行う。積立金は132・2%増の5億5281万3千円。減債基金3億8237万8千円、ふるさと応援基金1億2500万円を積み立てる。
起債の25年度末現在高見込みは485億8100万円で、合併後、初めて500億円を切る見通し。
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一般会計と7特別会計、水道・下水道事業の企業会計を合わせた総額は524億3731万5千円。会計間の繰り入れ、繰り出しを除いた純計は498億5477万5千円で前年度当初比7・0%増だった。