保育人材確保へ提言まとめる 働き方、就労環境向上へ 奄美市官民円卓会議

2024年12月24日

政治・行政

専門学生も傍聴し、提言を取りまとめた「奄美市保育人材確保に向けた官民連携円卓会議」=23日、奄美市名瀬

「奄美市保育人材確保に向けた官民連携円卓会議」(吉村喜美代座長、委員13人)の第5回会合が23日、奄美市名瀬の奄美看護福祉専門学校であった。最終の今回は保育や介護などの道を志す専門学生も傍聴。奄美の保育の未来に向けて、「保育施設の魅力向上」と「目的を明確化した人材確保」を柱とした六つの対策を盛り込んだ提言を取りまとめた。年明けの1月に安田壮平市長と市内保育施設の代表らに提言する。

 

同会議は今年8月に第1回を開いて以降、保育施設や障がい児通所支援事業所などへの聞き取りやアンケート調査の結果などを基に、人材確保や労働環境の改善、保育の魅力などについて議論を重ねてきた。

 

施設の魅力向上に向けては「働き方」「就労環境」「保育イメージ」の三つの観点での取り組みを提言。事務作業の削減や、各種補助金を十分に活用した給与・処遇の改善、外部人材の活用、保育の魅力発信などを盛り込んだ。

 

人材確保では「業務軽減」「受け入れ定員確保」「保育施設の持続化」の三つを目的に据え、一部業務の外注化や、短時間勤務の保育支援者の配置、島外や若い世代への働き掛けなど具体的な取り組みの事例や案も入れ込んだ。

 

さらに集中対策の期間として、2025年度からの3年間を設定。保育施設と行政それぞれが取り組むべき道筋を示した。また対策の具体例や、施設に給付される主な加算項目の一覧も付けた。

 

吉村座長は「官民が一緒に保育をテーマに話し合えたことがよかった。委員や現場の声を盛り込んだ『保育士ファースト』の提言。現場で実践し、未来につなげてほしい」と語った。

傍聴したこども・かいご福祉学科3年の上原瑞海(すかい)さんは来年4月から保育士として働く予定といい、「こうした会議があることを知らなかった。(現場のための会議で)感謝の気持ち。保育士として、子どもがいつも笑顔で元気でその子らしくいられるように愛情をかけたい」と話した。