利用ルール「猶予期間を」 金作原、27日試行開始で 奄美大島エコツアーガイド

2019年02月14日

政治・行政

金作原の利用ルール試行に向けて説明を受けた奄美大島エコツアーガイド連絡協議会の会員ら=13日、奄美市名瀬

金作原の利用ルール試行に向けて説明を受けた奄美大島エコツアーガイド連絡協議会の会員ら=13日、奄美市名瀬

 奄美大島エコツアーガイド連絡協議会(喜島浩介会長、会員84人)の2018年度第2回総会が13日、奄美市名瀬のAiAiひろばであり、役員改選や要綱の改正案などを協議した。総会に先立ち、関係機関が今月27日から金作原国有林(同市名瀬)で開始する利用ルールの試行について説明があり、出席者から「旅行会社とすでに契約している」として一定の猶予期間を求める声があった。

 

 亜熱帯照葉樹の森に多様な動植物が生息・生育する金作原一帯は、20年の登録を目指す奄美・沖縄の世界自然遺産候補地の一つ。利用ルールの導入は、観光客の増加を視野に、行政や同協議会など官民で設置した奄美大島利用適正化連絡会議が検討を進め、昨年12月末に試行を決めた。

 

 利用ルールでは、来訪者に奄美群島エコツーリズム推進協議会の認定ガイドの同行を求め、車両台数や利用人数に上限を設ける。旅行会社などが主催する団体ツアーの貸し切りバスは移行期間を経て10月からガイド同行のルールを適用する。法令に基づかない自主ルールとしている。

 

 同会議事務局の県自然保護課がルールの概要を説明した。出席者から旅行会社との契約などを理由に「あまりに急すぎる。事業者の生活を考えてほしい」として、団体ツアーと同様の措置を求める要望があった。

 

 将来的には金作原へ接続する一部区間、特に道路状況の悪い市道で車両規制を行う方向性が示されたが、「利用者はスーツを着た人から自然散策を楽しむ人まで幅広い」「1・5㌔を歩かせるのは非現実的だ」という意見もあった。

 

 総会では役員改選で新世話役に島隆穂氏を選任。要綱の改正では同協議会への登録に1年以上の実務実績を必須とし、認定ガイド2人の推薦を定めた。