名瀬保健所管内で感染拡大 基本的な対策呼び掛け 県内新型コロナ

2024年05月10日

政治・行政

 【鹿児島総局】名瀬保健所管内(奄美大島、喜界島)で4月以降、新型コロナウイルスの感染が急拡大している。県が9日発表した第18週(4月29日~5月5日)の感染症情報によると、1定点医療機関当たりの患者報告数は36人で、県平均(3・85人)の約9・4倍。新型コロナの感染症法上の位置付けが「5類」に引き下げられてから8日で1年となり、人々の警戒心が弱まる中、県は基本的な感染対策を継続して行うよう呼び掛けている。

 

名瀬保健所管内の定点当たり報告数の推移をみると、14週(4月1~7日)が前週比2人減の3・75人、15週(同8~14日)が6・75人増の10・5人、16週(同15~21日)が7・75人増の18・25人、17週(同22~28日)が16・5人増の34・75人。18週まで4週連続で増加している。

 

県感染症対策課は「感染が広がった明確な要因は分からない」としつつも、市中感染の可能性を指摘。「人と人との交流が活発化した大型連休後の数字も注視していく必要がある」としている。同保健所では感染拡大を受けて管内市町村に対し文書で注意喚起した。引き続きせきエチケットや手洗い、マスクの着用、場面に応じた感染対策などを行うよう求めている。

 

県内89定点医療機関からの18週の患者報告数は計343人で前週比27人減。年齢別では50代と60代がそれぞれ51人で最多となり、40代47人、30代30人などと続いた。名瀬保健所は前週比5人増の144人。徳之島保健所は2人増の11人で、定点当たりでは前週から0・4人増え2・2人だった。

 

県内のインフルエンザ報告数は定点当たりで0・8人(前週比0・6人減)。保健所別では名瀬が1人(同1・75人減)、徳之島が1・8人(同1・2人減)となっている。