外来種駆除に80人 世界遺産登録へ官民連携 奄美市住用町
2021年06月24日
政治・行政
奄美市と環境省、奄美建設業協会(村上慎一郎会長)などは23日、奄美市住用町の市道で特定外来生物のつる性植物ツルヒヨドリの駆除作業を合同で行った。今年夏の奄美・沖縄の世界自然遺産登録に向けた取り組みの一環。関係者約80人が参加し、トラック6台分の計約1・9㌧を取り除いた。
ツルヒヨドリは南北アメリカ原産。11~12月に約3㍉の白い花が集まって咲き、綿毛を持つ種を多量に付ける。他の植物を覆いながら生育して枯らし、生態系に影響を及ぼす。国内では1984年に沖縄県で見つかり急速に分布域を拡大。奄美大島では20年ほど前に侵入が確認された。
駆除作業には奄美市と環境省奄美野生生物保護センター、建設関係3団体の18事業所が参加。同センターの後藤雅文離島希少種保全専門官がツルヒヨドリの特徴や駆除の注意点を説明した。
作業を行ったのは、同市住用町戸玉の市道山間市線沿いの2カ所、計約50㍍の区間。参加者らは道路沿いの樹木などに絡みついて生い茂ったツルヒヨドリを手作業で取り除き、駆除後は名瀬クリーンセンターに持ち込んで焼却処分した。
後藤専門官は「世界自然遺産の価値を守るために、外来種対策は重要。地元市町村や民間団体の力を借りて防除ができるのはありがたい。今後も連携して取り組みを進めたい」と話した。