大切な飼い猫守ろう マイクロチップ無料で装着 伊仙町
2022年08月18日
政治・行政

マイクロチップを装着するため飼い主と訪れた猫と動物病院のスタッフ=16日、伊仙町総合体育館
【徳之島総局】伊仙町は16日、町総合体育館で飼い猫へのマイクロチップ装着会を実施した。島内の動物病院が協力し、無料で施術した。担当する町きゅらまち観光課は「大切な飼い猫を守るためのチップ装着。条例で義務付けられているので未装着の場合は連絡を」と協力を呼び掛けた。
徳之島では野生化した犬や猫(ノイヌ、ノネコ)による、アマミノクロウサギなどの希少野生動物の捕食、捕殺が続発。島内3町は対策として「飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例(飼い猫条例)」を制定し、7月から施行している。
飼い猫条例では、飼い主に「マイクロチップ装着」「室内飼養」│などを義務付け、「屋外にいる猫への餌やり」「5匹以上の多頭飼養」などを禁止している。今回の装着会は条例施行を受けたもので、伊仙町主体での実施は初めて。
マイクロチップは直径約1ミリ、長さ約10ミリの円筒形。背中の皮膚の下に埋め込む。チップには15桁の識別番号が記録され、猫が迷子になった場合も登録された飼い主の名前や住所などが分かる名札のような役割を果たす。チップは一度埋め込めば半永久的に機能する。
チップ装着のため飼い主と会場を訪れた猫は4匹。不安そうに鳴き声を上げる猫もいたが施術自体は数秒で終わった。
雑種の雌(1歳)を連れてきた西川妙美さん(59)=同町検福=は「獣医師さんから勧められてチップ装着を決めた。この子も拾った猫だが、子猫が山奥にいたり、車にひかれたりしているのを見る機会は多い。適正飼養は大変だが、世界自然遺産の島の住民としては大切なこと」と話した。
島内3町ではチップ装着の他にも、猫の不妊化去勢手術に1万円を助成するなどの支援も行っている。飼い猫条例や各種支援に対する問い合わせは各町役場の担当課まで。