奄美市で活性化応援セミナー 公民連携の事例など学ぶ 財務省主催
2024年04月25日
政治・行政
財務省主催の奄美群島活性化応援セミナーが24日、奄美市役所であった。公民連携や、観光活性化、離島航路支援をテーマに、それぞれの分野に精通した国の機関の担当者、有識者が講演。奄美12市町村の首長や行政関係者が聴講し、地域の課題解決や活性化に役立つ支援制度と、公民連携の事例などを学んだ。同省理財局は、今回のセミナーを機に奄美の自治体が相談しやすい関係性の構築に努め、今後も地域課題の解決に向けて継続的なサポートを行うとしている。
同省は4月、地方自治体が抱える課題やニーズに応じて各財務局が行うセミナー開催などの取り組みを積極的に支援する「地域課題解決よろず支援」をスタート。奄美でのセミナーは、その第一弾として企画された。
会場には奄美群島の首長や議員、職員、地元の金融機関、経済団体の関係者ら74人が参加。オンラインでの参加もあった。
民間資金等活用事業推進機構官民連携支援センターの中嶋善浩センター長が「離島におけるPFIの活用」をテーマに講演。PFIは公民連携の一形態で、公共施設の建設や運営に民間資金やノウハウを活用する手法。中嶋氏はPFIの特徴や導入検討の過程、国内での活用事例などについて詳しく説明した。
大和総研の鈴木文彦主任研究員は「公民連携で描く観光活性化のヒント」と題して講話。公民連携の失敗例も紹介しながら「公的負担を減らして自治体よし、商売繁盛で民間よし、職住満足して住民よしの『三方よし』が、公民連携成功の評価基準」と強調するとともに、全国のさまざまな公民連携の事例を伝えた。
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の齋藤徳篤参与は、旅客船などの建造の際に低利で長期資金を供給する「船舶共有建造制度」などを紹介した。
セミナーを企画した、奄美3世で財務省理財局の大江賢造計画官は「奄美群島のさらなる活性化の取り組みを、離島の課題解決の先進事例として、全国の離島や過疎地域などの活性化に役立てることにつなげていきたい。奄美でのセミナーが、日本の各地域を明るく、元気にする取り組みの第一歩となれば」と述べた。
閉会あいさつで奄美市の安田壮平市長は「奄美のこれからの発展を後押ししていただくセミナーになった。財務省のよろず支援の取り組みの第一弾が奄美であったことは、とても心強く思う」と語った。