家主の意識醸成など課題 空き家対策の情報交換 中山間地域等集落活性化推進地域会議

2018年08月31日

政治・行政

空き家活用について情報交換した中山間地域等集落活性化推進地域会議=30日、奄美市名瀬

空き家活用について情報交換した中山間地域等集落活性化推進地域会議=30日、奄美市名瀬

 中山間地域等集落活性化推進地域会議(県大島支庁主催)が30日、奄美市名瀬のAiAiひろばであった。大島地区の行政担当者、地域おこし協力隊、NPO法人ら約30人が出席し、空き家対策について情報交換した。自治体からは移住体験用住宅や民泊への活用など移住・定住促進を目的とした取り組み事例が紹介された。

 

 まず和泊町のNPO法人ねりやかなやレジデンスが事例発表した。移住者向けの空き家改修事例を踏まえ、▽空き家調査の促進▽家主に対する空き家活用への意識醸成―を課題に挙げた。

 

 意見交換で和泊町は1年間限定で貸し出す「しま暮らし体験住宅」を挙げ、「半年経過したころ個別にアプローチし、空き家情報提供などのサポートを行っている」と説明した。

 

 奄美市はU・Iターン者向けに貸し出すことを条件とした住宅リフォーム助成事業を紹介。賃貸契約者の確認方法については「宅建協会が間に入っており、不動産業者に移住者限定で契約するよう条件をつけている」とした。

 

 龍郷町は空き家活用による民泊事業を紹介。「地域おこし協力隊と住民が主体となり、行政は資金面でサポートしている」と報告した。

 

 大和村は空き家に残された家財道具の取り扱いを課題に挙げたほか、知名町は「定住促進住宅でネズミや床の傾斜などが発生している。限られた予算で行政がどこまで要望に応えたらいいか苦慮している」と訴えた。ねりやかなやレジデンスは「家財道具は家主に来島してもらい仕分けした」「リスクは最初に説明を」と助言した。

 

 県住宅政策室によると、2013年の県内空き家数のうち、長期不在などによる使い道のない空き家は約65%の9万5500戸。5年前に比べ2万戸増加した。