新鹿児島PR戦略を策定

2018年01月08日

政治・行政

奄美大島の観光スポットで世界自然遺産登録が期待される金作原林道=2017年12月、奄美市名瀬

奄美大島の観光スポットで世界自然遺産登録が期待される金作原林道=2017年12月、奄美市名瀬

 県は向こう5年間の観光振興や県産品の販売促進の方向性を示す「新鹿児島PR戦略」を策定した。海外を視野に入れ、メディア目線を意識した情報発信に力を入れる。今年夏に見込まれる奄美群島の世界自然遺産登録などの好機を捉え、民間を含めた「オール鹿児島」でPRを展開する考えだ。

 

 戦略策定は2007年以来約10年ぶり。「県民が誇り、県外が憧れる『選ばれる鹿児島県』」をコンセプトにした。鹿児島のイメージを把握するため県外居住者(首都圏、関西圏)と県民にアンケートを行った。

 

 県外居住者が行ってみたい観光地のトップは屋久島。次いで種子島、与論島、甑島、奄美大島の順だった。

 

 島への関心が高いことが分かり、「離島に対する誇りや憧れを高めることで鹿児島への興味を持ってもらうことが可能」と分析した。

 

 年代別では40歳以上の来訪意識が高い。「遠いイメージ」が行きたくない理由に挙がる一方、「自然で癒やされたい」が行きたい理由のトップだった。

 

 これらを参考に「鹿児島に行かなければできない体験」のPRを重視した。奄美の世界自然遺産登録や大河ドラマ「西郷(せご)どん」の放送にも着目。イベントやPR素材に生かし、話題づくりに努める。

 

 行政の計画では珍しいという民間向けの実務編を設けたのも特徴だ。▽海外向けのPR動画作成▽会員制交流サイト(SNS)の活用▽メディア取材の誘致―など具体的な手法を盛り込んだ。戦略は22年に見直す。県のホームページで閲覧できる。