朝山市長が勇退表明 「後進に譲る最適な時期」 奄美市

2021年06月17日

政治・行政

今期限りで勇退する意向を表明した朝山市長=16日、奄美市議会議場

    奄美市の朝山毅市長(74)は16日、市議会6月定例会で「次期市長選挙には出ない」などと述べ、3期目の今期で勇退する意向を示した。川口幸義(自民)、多田義一(自民奄美)両議員の一般質問に答えた。

 

 朝山市長は、庁舎整備など大型公共事業で一定のめどが立ったことや新型コロナウイルスのワクチン接種の推進、世界自然遺産登録の道筋がついたなどとして「愛郷心、情熱を持った後進に道を譲るのに最適な時期と思い、今期で退くことが賢明な判断と考えた」と勇退理由を説明した。

 

 在職3期について「各種の施策に対し感慨深いものを感じている。特に(2010年の)豪雨災害は、市民、議会、職員の力が結集し、困難を乗り越えられた。公約は自己評価では80%相当はできた」と振り返った。

 

 朝山市長は1994年の旧笠利町長選挙で初当選後、連続3期務めた。名瀬、住用、笠利の3市町村合併に伴い、辞職。奄美市助役、副市長を経て2009年11月の市長選に初当選。任期中は、奄美豪雨の復旧復興や新型コロナウイルス対策、財政再建などに取り組んだ。

 

 奄美群島広域事務組合管理者としても奄美群島振興開発事業の奄振交付金創設に尽力。航路・航空路運賃軽減や農林水産物の輸送コスト支援などを実現させた。

 

 朝山市長の任期満了は11月30日。これまでに次期市長選への立候補表明者はいないが、水面下では元市議ら複数の名前が取り沙汰されている。